理系の志望校の決め方
私は理系大学、大学院出身です
私は、理系の大学を卒業し、大学院も理系で修士を過ごしました。
その後、民間企業で研究開発の仕事をしています。
ですので、理系を目指す高校生にとってはアドバイスできる点もあると思い、今回の記事を書くことにしました。
この記事は、理系に進むことを考えながらも、志望校を決められないでいる高校生に向けて書いています。
志望校を決める前に考えないといけないこと
それは、自分が何を目的に大学進学をするかです。大学卒業後の進路ですね。
理系大学に進学する場合、以下のケースが考えられるでしょう。
- 大学で研究を行い、大学教授を目指す
- 民間企業で研究職や開発職として働く
- 民間企業で技術職として働く
- 医師や獣医師、薬剤師などの専門職として働く
- 中学校や高校の教員を目指す
- 公務員として働く
- 民間企業で文系就職をする
ざっと考えただけで、これだけの可能性が出てきました。
もう少し考えればもっと出てくるでしょう。
目指す進路によって、最適な志望校も変わってきますので、よーく考えて見ましょう。
とりあえず、国立大学を目指そう
学費面から国立大学がおすすめ
理系の場合、授業料の他に実験や実習の費用がかかります。
また、授業料そのものも高めに設定されています。
そのため、私立大学の場合、費用はかなり高額になってしまいます。
私は親不孝ものでしたので、私立大学でしたが、親には申し訳なかったと思っていますね。
私の出身校である東京理科大学理学部応用化学科の場合、初年度納入金は162万円です。
また、医学部の場合、私立大学は卒業までに5000万円以上かかるケースもありますが、国公立大学の場合、他学部と同じ費用ですみます。
薬学部は医学部よりはずっと安いですが、それでも他学部と比較すると高額で、1.5倍程度はかかると思いましょう。しかも6年です。
かなり高額ですよね。
また、地元が東京や大阪の人はまだいいですが、それ以外の地方の場合、私立大学でレベルの高い大学はほとんどないので、一人暮らしをせざるを得ないと思います。
その場合、私立大学に通った上に、一人暮らしの費用を親に出してもらうのはかなり負担になりますね。
研究面でも国立がおすすめ
同レベルの大学であれば、国立大学の方が研究費は多く、研究内容のレベルも高い傾向があります。
研究設備も整っていますね。
理系の場合、大学の研究レベルも重視する必要があるので、その点からも国立大学がおすすめです。
国立大学はハードルが高い
上記の理由から、国公立の大学は非常に人気が高く、簡単には合格できません。
また、センター試験で5教科の受験が必要になるケースが多いと思います。
そのことから、実際の受験勉強はかなり厳しいものとなりますので、しっかりと勉強をする覚悟のある人が目指しましょう。
特に、センター試験は理系の人でも国語と社会は受けるケースが多くあります。
これらの勉強もしっかりと行う覚悟を持ちましょう。
国立大学を目指すべき人
- 金銭的制約がある人
- 地方に住んでいるが、上京して一人暮らしをしたくない人
- 民間企業で研究職をしたい人
- 医師、薬剤師を目指している人
- 大学教授を目指している人
私立大学を志望校にする場合
上記では、とりあえず国立大学を志望校にするべきと書きましたが、現実的に、私立大学を志望校とするケースも多いと思います。
ここでは、私立大学を志望校にした方がいいケースや、選び方について解説していきます。
とりあえず、難易度の高い大学を目指そう
理系就職をする場合、現実は残酷です。
ある程度のレベルの大学を出ていないと、研究職や開発職で採用されることは難しいと言えます。
また、研究職の場合、大学院も修士まで出ていることがほぼ必須と言えます。
具体的には、最低限でもマーチ、関関同立以上を志望校とするべきです。
理想的には早慶を目標とするべきですが、早慶の理系は、理科が2科目必要になります。
物理と化学の2科目がほとんどだと思いますが、ここは慎重に、自分の実力と残された時間から考えて決定しましょう。
例えば、あなたがまだ高校1年生であるなら、迷わずに早慶を目指しましょう。
しかし、もし高校3年生で、かつ理科2科目の勉強をする自信がない場合、理科1科目を捨てて東京理科大を第一志望にするのもアリです。
例えば、高校3年生の1年間、4科目の受験勉強をした場合、それぞれが中途半端になって理科大にも落ちる可能性がありますが、3科目に絞ることによって効率よく勉強ができます。
理科大は企業からの評判も良く、就職も非常に強いので私立大学の中ではおすすめできる大学です。
また、研究レベルも私立大学の中では非常に高いので、志望校にするのに不足はありません。
難易度は早慶よりもかなり低いので、費用対効果は高いと言えます。
技術系の仕事がしたいなら、芝浦工大はコスパが高い
技術職として働きたい場合、芝浦工業大学は難易度の割に就職が強く、おすすめできる大学です。
大企業の電力会社や電機メーカーにも就職する人が多くいて社会的評価も高い大学と言えます。
公立高校から大学進学をする場合、以下の記事をご参考に
公立高校から大学受験をする場合、塾や予備校をえらばう8つのポイント
大学院で他大学に進学し、学歴ロンダをするのもアリ 推薦入試は超穴場
これはあまり受験生には言いたくないですが、大学院進学の時に逆転することも可能です。
例えば、東工大は大学に入学することは非常に難易度が高く、難しいですが、大学院への入学はそれほど難易度は高くありません。
と言うのも、東工大の大学院には総合理工学研究科と言う研究科がありますが、この研究科は学部を持たず、ほとんどが他大学から進学する学生で占められています。
理科大から進学する学生はかなり多いですし、マーチレベルの大学からも進学者は多くいます。
就職の際には、もちろん大学も東工大の人よりは不利ですが、それでもかなり有利に進めることはできます。
また、実は東工大の総合理工学研究科には、推薦入試という裏技が存在します。
制度は毎年変化するので、必ず自身で確認してくださいね。
この推薦入試ですが、大学の成績が優秀な場合、ほぼ面接のみで合格できてしまう制度です。
私の時は、Aや優の数が8割以上が基準でした。
当時、帝京平成大学や明星大学出身の学生も存在しました。
もし、希望する大学に不合格となってしまった場合でも、大学院で逆転は十分に可能ですので、諦めずに勉強しましょう。