父親の育児参加と「イクメン」について パパの苦悩
2017/07/29
今回は、父親の育児参加について書いてみたいと思います。
今回は内閣府のHPを参考にしています。
「イクメン」などと言う造語ができて久しく経ちますが、皆様、この「イクメン」と言う言葉についてどう思われますか?
最近では「父親が育児を行うのは当然なのでこんな造語を作ること自体がおかしい」と言う意見もちらほらと出てきましたね。
私としては、この意見には半分賛成で、半分反対です。
まず、賛成の部分から。
そもそも、大切なわが子なのだから、「育児を行いたい」と言う感情は当然のものだと思います。
また、産後の女性は体力もかなり消耗しているので、「愛する妻を助けたい」と思うのも当然ですね。
逆に、「育児なんて面倒くさくて興味がない」とか、「育児なんて妻に任せておけばいい」と思っている男はウンコです。
父親の風上にも置けません。
緑紙を渡してやりましょう
と言うか、育児って結構楽しいですよ。
子供の成長も実感できるし、子供は自分になつくし、妻の負担も減るし、いいことしかありません。
会社で汚いおじさんのご機嫌取りをするより2兆倍有意義で楽しいです。
では、なぜ半分は反対なのでしょう?
それは、日本のお父さんたちの悲しい現実にあります。
以下の表を見てください。
これは内閣府のHPからの抜粋したもので、日本と欧米諸国において、男性の育児と家事に取り組む時間を比較したものです。
主な国と比較すると、日本が一番短いですね。
このような結果から、「日本の父親は育児も家事も海外と比べて積極的ではなく、意識が低い。」と短絡的に結びつける人が居ます。
では、次に以下のグラフを見てください。
これも内閣府のHPから抜粋したもので、各国のフルタイム労働者(≒正社員)の労働時間の比較です。
これも一目瞭然で、日本が一番長いですね。
これは平均値なので、当然、これよりも短い人も居れば長い人も居ます。
私は、幸いにも労働時間は短いほうで、残業や休日出勤はほぼ0なので時間的余裕はかなりあるほうだと思います。
逆に、毎日帰りが夜の11時過ぎで、休日出勤もあるような人って結構居ますよね。
取引先からのメールが夜の12時に着てて驚愕したことがあります。
実際、某大手企業に勤める義弟は毎晩帰宅は夜の11時過ぎで、休日は昼過ぎまで死んだように眠っているそうです。
また、最近は「ブラック企業」と言う言葉もメジャーになってきていることからも、長時間労働が社会問題ともなっています。
ワタミとかユニクロとか有名ですよね。
特に、働き盛りと子育て世代は重なりますから、20代後半から40代前半の人は特に忙しい人が多いです。
このような環境で働かざるを得ない人にとっては、「育児に携わりたい」と思っても、物理的な時間がありません。
休日に少し育児を行えるかもしれませんが、平日に何もできないため、なかなか身につかないでしょう。
私は育児と家事を積極的に行っていますが、これは時間的余裕があってのものだと思っています。
私は帰宅時間は毎日6時半ぐらいですが、もしこれが11時半だったら、当然、今と同じようにはできません。
私の職場は民間企業ですが、非常に緩いため、男性社員でも育児に積極的な人が多いです。
男同士で育児の話題で盛り上がることもよくあります。
これも緩い環境のおかげですね。
なので、世のお父さんの中には育児をやりたくても時間的に無理な人も多くいるのが現実です。
たまたま自分が恵まれた環境に居るだけで、「育児に参加するのは当然で、しない人は父親失格だ」なんてとても私には言えません。
一生懸命働いている人にそんな事を言うのは失礼です。
とは言ってもですね、誰の手も借りずに一人だけで育児をするのって超大変です。
私は最初の2ヶ月、育児休業をとって全ての育児を妻と手分けをして行いましたが、もし一人で全てを行うと思うと、無理ゲー過ぎます。
赤ちゃんが生まれた後、産後5日ぐらいで退院して、赤ちゃんを必死で育てるんです。
病院に居るときは医師や助産師さんが居ますが、退院したら全て親に責任があります。
そのときに一人だったら凄く不安です。
産後鬱にもなるし、産後クライシスにもなるかもしれません。
パパの協力が得られない場合、自分の両親、兄弟姉妹、友達、頼れる人には頼ったほうがいいです。
それでも頼る人が居ない場合は、子育て支援センターや市役所の子育て支援課などに連絡して不安や悩みを相談した方がいいですね。
多忙なパパは、時間はなくても、せめてママの話は聞いてあげましょう。
育児の不安、心配なこと、楽しかったこと、今日一日あったことなど。
ママが本当に辛そうなときは、親戚が死んだって嘘をついてでも休みを取ったほうがいいと思います。
親や祖父母だとバレるので叔父叔母ぐらいにしておきましょう。
私は、「イクメン」と言う言葉は無くなって欲しいと思っていますが、そのためには父親の意識改革だけではどうにもならない問題があると思います。
最低限、長時間労働の改善を行う必要があります。
欧州の国々は日本よりも短い労働時間でありながらも、高い生活水準を維持しています。
日本でも長時間労働を美徳とする考えを改め、仕事の効率化を進めるべきです。
このことから、私は「イクメン」と言う言葉は嫌いですが、父親が育児に参加することが当然となる日までは社会構造の変化を促すためにも、敢えて「イクメン」と言う言葉を使用します。
最後に、父親の育児貢献度を表でまとめるとこんな感じです。