日本は台湾を国家承認するべき!出来ない理由は?
台湾は「地域」ではなく、「主権独立国家」です
私は台湾のことが超好きなんですが、国際社会において正式な国家として扱われるケースは非常に少ないです。
そのことについて、私は非常に憤りを感じていますので、今回は熱く語らせていただきますw
法学上の国家の3要素とは?
以下、wikiからパクります。
法学・政治学においては、以下の「国家の三要素」を持つものを「国家」とする。これは、ドイツの法学者・国家学者であるゲオルク・イェリネックの学説に基づくものであるが、今日では、一般に国際法上の「国家」の承認要件として認められている。
国家の三要素[編集]
- 領域(Staatsgebiet:領土、領水、領空)- 一定に区画されている。
- 人民(Staatsvolk:国民、住民)- 恒久的に属し、一時の好悪で脱したり復したりはしない。
- 権力(Staatsgewalt)ないし主権- 正統な物理的実力のことである。この実力は、対外的・対内的に排他的に行使できなければならない、つまり、主権的(souverän)でなければならない。
このモデルにおいては、国家とは、権力が領域と人民を内外の干渉を許さず統治する存在であると捉えられているのである。領域に対する権力を領土高権(Gebietshoheit)、人民に対する権力を対人高権(Personalhoheit)という。国際法上、これらの三要素を有するものは国家として認められるが、満たさないものは国家として認められない。この場合、認めるか認めないかを実際に判断するのは他の国家なので、他国からの承認を第四の要素に挙げる場合もある。
上記がいわゆる「国家の三要素」ですね。
では、台湾の場合はどうでしょうか?
①領域
完全に明確化された領土、領空、領海があります。
地図を見るとしっかりと隣国との間に国境線が書いてあります。
台湾の領有権を主張する中国との間にも、ちゃんと国境線はありますよ。
②人民
2000万人程度の国民が居住しており、安定的な生活を送っています。
国民が海外に行く場合、政府発行のパスポートをもち、そのパスポートは世界で通用します。
③権力
日本と同様、議会制民主主義が定着しており、立法委員(国会議員)は国民の選挙で選ばれます。
また、三権分立ならぬ五権分立が機能しており、独裁的な政治が行えないようになっています。
台湾は国家の条件を満たしている
国家の三要素を見ても、台湾が国家として機能していることは明白です。
さすがに、これは親中派の人も否定はできない事実だと思います。
これは、台湾人が中国に入国する際にも、パスポートが必要なことからも自明と言えます。
日本が台湾を国家承認できない理由
これは、台湾が国号と中華民国としていることからもわかると思いますが、中華民国政府が主張している本来の領土は、現在の中華人民共和国のみならず、モンゴルをも含む広大な領域になります。
実際に、1971年のアルバニア決議による中華民国の国連脱退までは、中華民国が全中国の正当政権として国連の常任理事国の座にありました。
中華民国と、中華人民共和国は、お互いに中国大陸と台湾の全主権を主張しているため、両国を同時に国家承認することは難しいのが現実です。
そのため、日本は1972年の日中国交正常化と同時に、中華民国との国交を破棄しました。
中国は、当然台湾を自国領として主張しています。
いわゆる、「一つの中国」ですね。
正確には、「中華民国と中華人民共和国、どちらが全中国を代表する正当政権であるか」と言う争いになります。
この主張では、中華人民共和国政府が中国大陸の多くの地域を実効支配しているのは事実ですので、中華民国の立場は弱くなります。
日本政府は台湾が中国の一部とは認めていない
ここで、誤解をする人が多いのですが、日本政府は決して、台湾を「中国の一部」とは認めていません。
日本政府は、台湾を自国領とする中国の主張に対し、「十分に理解し、尊重する」と言う立場を取っています。
これはどう言うことかと言うと、あくまで、「お前の言いたいことはわかった。」と言うことです。
その証拠として、日本政府は一度たりとも、台湾が中華人民共和国に属すると認めていません。
村山政権や、鳩山政権の時でもです。
日本政府としての正式な台湾の位置付けはどうなる?
そうすると、日本政府としての正式な台湾の位置付けがよくわからなくなります。
独立国家としても承認できないが、中国の一部とも認めていないわけです。
答えは、「地位未定地域」です。
平たく言うと、「国家として十分に機能しているけど、大人の事情で承認できないので、地位が未定ということにします」ということですね。
日本政府として、正式には台湾の地位について、一貫して「発言する立場にない」と言う主張を貫いています。
台湾を国家承認するために必要なことは?
中華民国憲法を改正し、中国大陸の領有権を放棄する
まず、台湾を実効支配している中華民国政府が、中国大陸の領有権を放棄する必要があります。
台湾は、中国が台湾の帰属することに反発しますが、台湾が中国大陸の領有権を主張することはそれ以上に荒唐無稽と言えます。
モンゴルを含む中国大陸の領有権を放棄することが、台湾が再び国家として承認されるために最低限必要なことでしょう。
これは、台湾が中華人民共和国を国として認めることを意味します。
当然ですが、台湾は中国との二重承認を受け入れなければありません。
首都を南京から台北に変更する
中華民国の正式な首都は南京です。
台北はあくまで臨時首都ですと言う位置付けです。
これは明らかに無理があると言えますね。
自国の実効支配が及ばない地域を首都としていることは、国家として認められない大きな要因の一つと言えます。
先進国が同時に台湾を承認する
たとえ、台湾が中国の領有権を放棄したとしても、台湾と国交を結べば、中国は反発して断交をするでしょう。
実際に、中国政府と台湾政府は、お互いに決して二重承認の状態を認めていません。
国家承認のタイミングですが、先進国で話し合い、同じタイミングで台湾を承認するべきです。
例えば、ほぼ全ての西側の先進国が同時に台湾を承認した場合、中国として全ての国と断交するのはかなり難しい選択肢となるでしょう。
ただし、ここで大きな問題があります。
それは、多くの国にとって、中国を敵に回すリスクに対して、メリットが少ないのです。
すでに、台湾は事実上の国家として多くの国で扱われているので、あえて余計なことをして争いごとを産むメリットがないのです。
むしろ、日中関係が悪化して経済交流が冷え込み、経済に大打撃を受けるおそれもあります。
つまり、「こんなに成熟した民主国家を国と認めないのは道理に反している」と言う正義感が原動力ということになります。
しかし、時として、「正しいことを貫く」ということも大切なのではないでしょうか。