希望の党と日本維新の会の合流、合併の可能性は?
2017/10/03
希望の党と日本維新の会は立ち位置が似ている
小池百合子東京都知事が代表を務める「希望の党」と、松井大阪府知事が代表を務める「日本維新の会」は党として、立ち位置が似ています。
似ている点としては、
・どちらかと言えば保守政党
・改憲勢力
・日米同盟を基軸とした防衛戦略
・上記の理由より、反自民の保守層や保守二大政党制を支持する層からの支持が多い
・都府の首長が代表を務める
・まずは野党第二党を目指し、将来的には与党入りを目指している
・ホームグラウンド(東京、大阪)での支持が厚いが、その他の地域では弱い
が挙げられます。
お互いに、支持層や政党の規模が近いので、意識せざるを得ないでしょう。
また、民進党リベラル派に対する嫌悪感も共通点として挙げられます。
国会質疑で、日本維新の会は民進党に対する批判が非常に厳しいことで有名でした。
そして、その批判はほぼ民進党のリベラル派に向けられたものです。
対して、希望の党も、民進党議員の受け入れについては、「改憲を支持するか」「日米安保を支持するか」と言う2点を踏み絵としており、民進党リベラル派に対して厳しい姿勢を示しています。
歴史をおさらいしよう
日本維新の会は橋下徹と石原慎太郎が共同代表を務めていた時代があります。
その時に、今はなき「みんなの党」との合併を巡って、橋本派と石原派に分党しました。
その時、石原派は「次世代の党」と名称を変更しています。
その次世代の党は、名称を「日本のこころ」に変更しました。
そして、日本のこころと希望の党は合流しています。
このような流れですので、基本的に考え方が似ているのは当然と言えるでしょう。
まずは選挙協力から
希望の党と日本維新の会は支持層がかぶることから、同じ選挙区で候補者を立てたくないのは両者当然のことだと思います。
ですので、希望の党の最初の国政選挙である2017年の衆議院選挙で選挙協力を行うことはごく自然な流れと言えるでしょう。
この選挙協力は、
・東京では日本維新の会は候補者を立てない
・大阪では希望の党は候補者を立てない
というものです。
それぞれ、お膝元以外では小選挙区での当選は厳しいでしょうから、現実的な選挙強力であると言えます。
合流、合併の可能性はあるか?
政策面から考えてみる
立ち位置のにた二つの党ですが、当然、全く同じ政策ではありません。
そもそも、希望の党の詳細な政策が未定ですので、議論は難しいですね。
現時点でわかる範囲は以下の通りです。
原発政策
希望の党は、「原発ゼロ」を掲げています。
対して、日本維新の会は「法整備を進めた上での再稼働容認」とのスタンスです。
原発問題は国民の関心が高いので、簡単にスタンスを変更すると「無責任な政党」と思われます。
ただ、日本維新の会は理論的に考察をした上で決定した政策ですが、希望の党は大衆迎合として原発ゼロを政策とした感は否めません。
また、小池百合子の今までの実績、言動から、しれっと方向転換をする可能性はあります。
ですので、原発政策については、日本維新の会が政策を変更することはないでしょうが、希望の党が変更する可能性は十分にあると言えます。
その他の政策は?
はっきり言って、原発以外に希望の党の政策はどれも抽象的なものばかりで、議論のしようがありません。
以下に引用します。
- 希望の政治
- しがらみのない政治
- 議員定数・議員報酬の縮減
- 行政改革・徹底した情報公開
- 真の地方分権の確立
- 希望の社会
- 女性政策など、ダイバーシティ政策の確立
- 多様な教育(奨学金、高度研究、生涯教育)
- 希望の経済
- 消費税対応、実感できる景気回復の実現
- ポストアベノミクスにかわる成長戦略 不動産の有効活用 AI 金融
- 希望を守る環境・エネルギー
- 原発ゼロとゼロエミッション社会への行程作成
- フードロス対策など
- 憲法改正
- 希望溢れる日本の礎
上記の通り、非常に内容がないです。
具体性が全くないので、正直、議論できないですね。
逆に、具体性を示して位なので、どのようにでも変更の余地があると言えます。
合流、合併の可能性はある!合併の方向性は?
ここまでの考察してみましたが、合流の可能性は十分にあると言えます。
理由は、どちらも政権を取るには勢力がまだ弱く、少しでも勢力を拡大したいという思惑は一致しているからです。
日本維新の会は、知名度の高い橋下徹の政界引退により党勢は衰退傾向ですので、なんとか知名度の高い小池百合子東京都知事と組みたいでしょう。
また、希望の党としても有能な政治家が揃っている日本維新の会の力を借りたいと思っているはずです。
現実的に、合併は以下のようになると予想できます。
・日本維新の会が希望の党を吸収する形になるが、名称は変更
・合併時期は2017年衆議院選挙後
・政策は日本維新の会から変更なし
・松井一郎大阪府知事と小池百合子東京都知事が共同代表
・小池百合子が将来的に国政復帰をし、党としての首相候補となる
この案はかなり現実的であると言えます。
まず、小池百合子は自身が「女性初の内閣総理大臣」となることを目指しています。
希望の党が吸収される形であっても、党としての首相候補になれるのであれば受け入れるでしょう。
また、松井一郎大阪府知事は総理大臣になるという野心があるかはわかりませんが、衰退傾向の党勢が回復できるチャンスです。
党の名称は少なくとも、「希望の党」にはならないはずです。
日本維新の会のお膝元である大阪では、東京に対するライバル意識が強く、党名が希望の党になってしまえば「東京に魂を売った」と言われてしまうでしょう。
ただ、小池百合子としても、「日本維新の会に吸収された」と言うイメージは持たれたくないでしょうから、新名称を制定すると考えられます。
現状、少ない情報ですが、希望の党と日本維新の会の合流、合併について予測を立ててみました。