ファゴットソロのあるオーケストラ曲ベートーヴェン編(譜面付き)
ベートーヴェンはファゴットソロがたくさん!
今回はベートーヴェンの曲についてファゴットソロのある曲について解説をしたいと思います。
と言うのも、ベートーヴェンのオーケストラ曲はファゴットが大活躍なので、それだけで一つの記事になるんです。
前回は第一弾として、春の祭典、チャイコフスキーの交響曲について解説をしました
それでは、早速行ってみましょう。
序曲「レオノーレ」第3番
レオノーレは全部で3曲の序曲がありますが、その中で最も有名で演奏頻度が高いのが3番です。
序曲ですので、短い曲ですが、この中にファゴットの難しいソロがさらりと出てきます。
譜面だけ見ると簡単そうですが、実はテンポが非常に早く、メトロノームで言うと二分音符が130ぐらいですね。
単純な上昇音形ですが、ファゴットだけのソロですので、ミスると非常にかっこ悪いです。
テンポ的に、シングルタンギングで演奏するのはかなり難しいので、私はダブルタンギングで演奏を行いました。
とは言っても。最初のDEFisの3つの音を綺麗に演奏したかったので、最初の3音だけシングルタンギングとし、後半の8つの音はダブルタンギングで演奏を行いました。
欲を言えば、スタッカートなのでシングルタンギングで演奏するのがベストだとは思いますが、こればかりは無理そうだったので諦めました。
結果的には本番ではうまくいきましたね。
交響曲第2番
演奏頻度はそれほど高くはありませんが、交響曲第2番には非常に魅力的なファゴットのソロがあります。
ソロ以外でも、ファゴットはオーケストレーションにおいて非常に重要なパートとして書かれているので、演奏していて非常に楽しい曲です。
ぜひ布教活動をして演奏会で演奏してください。
ベートーベンの交響曲の緩徐楽章によくあるパターンですが、2楽章でファゴットと他の木管楽器とのユニゾンで美しい旋律を奏でます。
一人のソロではないので、自己主張はしすぎずに、全体の調和を考えて演奏をすると綺麗ですね。
4楽章ではなかなかかっこいいソロがあります。
譜面だけ見るとソロっぽくないですが、68小節目からBまでがソロですね。
このソロ、音形は単純ですが演奏するのが非常に難しく、私は本番では全く納得のいく演奏ができませんでした。
例えば、最初のECAEの下降音形、非常に単純ですが、ただ音を並べただけだとまるで面白くありません。
そのあともクレッッシェンドからsfがあったりとアーティキュレーションをしっかりと演奏することは当然として、ヴィブラートのかけ方やテンポ感など、自分なりにオリジナリティを出せると良いと思います。
私はこの曲を演奏した時はまだ若過ぎて、今思うと非常につまらない演奏をしたと思います。
もう一度リベンジをしたい曲の一つですね。
交響曲第3番「英雄」
この曲はベートーベンの交響曲の中でも人気があり、よく演奏されますね。
一楽章の中盤に長いソロがあります。
この譜面で342小節目からですね。
ここはソロですが、周りがかなり賑やかなので、音量はしっかり出す必要があります。
特に後半は周りの音量も大きくなってくるので、2nd奏者にも吹いてもらってもいいと思います。
交響曲第4番
ベートーベンの交響曲の中では演奏頻度は低めですが、人気のある曲です。
ファゴットは四楽章のソロが難易度が高いと有名ですが、他にも聴かせどころはありますよ!
まずは、一楽章から
短いソロですが、重要箇所です。
そして、何気に最初のフレーズの指遣いが難しいですね。
油断をすると音がもつれてしまうので、しっかりと練習をして演奏しましょう。
二楽章、三楽章も基本的にファゴットは大活躍ですね。
どソロこそないものの、木管パートとして非常に重要です。
そして、ベト4と言えば四楽章ですね。
短いですが、非常にテンポが早いので、シングルタンギングでの演奏はほぼ無理ゲーだと思われます。
ダブルタンギングで演奏をしなければいけないので、大変難しいと言えるでしょう。
dolceと書いてありますが、そこまで気が回りませんw
私が演奏した時は、本番で指揮者が練習時よりも早いテンポで降り出したので、パニックになりかけましたが、なんとか無傷で乗り切りました。
ちなみに、上記の譜面はブライトコプフ版です。
ベーレンライター版の場合、16分音符の最初にスラーがつくので演奏は楽になります。
交響曲第5番「運命」
非常に有名な運命です。
この曲もファゴットは非常に重要パートですね。
ですが、以外にソロは多くはありません。
普通に聴いていて耳につくのは二楽章の以下の部分ではないでしょうか
Piu motoからの5小節ですね。
それほど長くもないし、演奏難度も高くはないですね。
この箇所は、エコーで演奏することも多いですが、私は個人的にはエコーで演奏するのが好きですね。
交響曲第9番「合唱付き」
知らない人はいないぐらいの超有名曲ですね。
私は難度も演奏しており、全パートを経験しています。
この曲でもファゴットは超重要パートです。
木管群で重要な箇所は数え切れないほどありますね。
その中で、吹いていて重要なソロを紹介したいと思います。
Oからがソロになりますね。
ここはヴァイオリンとオクターブなので、厳密にはドソロではないですが、かなり目立ちます。
譜面ではpになっていますが、fぐらいで吹いて良いと思います。
リズムを気をつけることと、ヴァオリンパートと音程がズレないことが最低限ですね。
全体的に、どんどんクレッシェンドをしているので、最後の2フレーズぐらいはアシか2ndにも吹いてもらった方が良いと思います。
Oの直前はアシスタント奏者に任せてしまって、休んでも良いと思います。
ソロではないですが、三楽章の出だしは2ndファゴットから始まり、ファゴットとクラリネット4本で奏でます。
非常に美しい緩徐楽章ですので、その出だしは責任重大です。
2ndの出だしのBの音は低めを心がけた方がいいですね。
三楽章は全体的に重要ですが、休みが極端に少なく、音域も高いので、1stを吹く場合はアシスタントが居た方がいいと思います。
テンポにもよりますが、三楽章をアシ無しで演奏するのはかなりしんどいですね。
そして、第九のファゴットと言えば、上記の譜面にあるヴィオラの旋律のオブリガードが有名ですね。
この箇所は私のような素人が演奏をすると、弦楽器とのテンポ感がなかなか会わずに苦労をしました。
ファゴットの持つ魅力を最大限の引き出しているオーケストレーションと言えるでしょう。
ブライトコプフ版ですと、上記の譜面になりますが、ベーレンライター版だと2ndがコントラバスのオクターブ上を演奏します。
その場合、テンポ感と音程が2ndファゴットとコントラバスで合わせるのがなかなか大変ですね。
最後に
いかがだったでしょうか。
ファゴットが活躍する箇所を厳選して紹介して見ました。
もちろん、ここで紹介した以外にもファゴットが活躍する曲はありますし、今回は協奏曲は解説して居ません。
また、改めてベートーベンの第2弾の記事も書きたいと思います。